長澤修司税理士事務所

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種類株式について その3

みなさんこんにちは

 

今年は本当に寒い日が続きますねー

 

今年は数年ぶりに2回屋根の雪下ろしをしました

 

雪の事故も多いので、ヘルメット・命綱は欠かせません

 
それでも事故は毎日のように新聞に出ております

 

滑って頭を打ったなど命にかかわるような話も聞いています

 
みなさんも十分にお気をつけください

 

 


 

さて、今回は前回、前々回の続きで「種類株式について その3」をお送りいたします。
種類株式については今回が最終回です。
実際にどのようなケースで使うのかをお話ししていきます。

 
● 種類株式は、どのように利用することができるのでしょうか。

 
一般的に、種類株式の利用が想定されるケースとして次のようなものがあげられます。

 
(1) 資金調達

上場を目指すような株式会社が、ベンチャーキャピタルから資金調達をする場合に、配当優先株式や残余財産分配優先株式が利用されることがあります。

優先株式は、他の株式に優先して配当や残余財産の分配を受ける権利を有する株式です。

優先して配当を受け取れますので、投資家から資金調達をする際に有利な条件として提示することができます。

また、普通株式又は現金を対価とする取得請求権付株式なども利用が可能です。

売る権利(プットオプション)が付された株式ですから、株主から買取の請求があれば会社は断ることができません。

(2) M&Aやスクイーズアウト

M&Aや100%子会社化などの場合に、少数株主から株式を取得するときに種類株式である全部取得条項付株式が利用されます。

この株式は会社側に買取りオプションが有りますので、状況に応じて買い取ることができます。

(3) 100%減資

債務超過の会社が100%減資を実施して、その後、新たな株主から資金の調達を受けたいような場合に全部取得条項付株式が利用されます。

株主総会の特別決議によって株式を全部取得条項付株式に変更し、その後、株式の全部を会社が取得することで100%減資を行います。

 

 

(4) 経営の安定化

通常、株式には1株に1つずつ平等に議決権が付されていますが、株式の一部を議決権制限株式にすれば、株主総会で決議できる事項に制限を加えることができます。

ベンチャーキャピタルから出資を受けても、経営には口を出して欲しくないような場合に利用できます。
また、取得条項付株式を発行して、「一定の事由」が生じた場合にその株式を議決権制限株式に交換するという利用も可能です。

 
(5) 事業承継

後継者となる相続人に対しては議決権のある株式を、それ以外の相続人には議決権のない株式を相続させることが考えられます。

また、特定の者に拒否権付株式を保有させて経営者の意思決定に制限をかけるようにすることも考えられます。

 
(6) 上場会社での利用

上場会社でも種類株式は利用されています。

金融機関は優先株式を発行していますし、近年では、トヨタ自動車がAA型種類株式を発行しています。

この種類株式は、議決権があり、5年間保有していれば元本が保証されているという特徴のある株式です。

中長期での安定した個人株主の獲得をターゲットにしたものを考えます。

 
● 種類株式が事業承継に利用されると聞きましたが、どのように利用されるのでしょうか?

 
会社の経営者が子供に事業承継する場合に、子供が2人いると、どのように相続させるかが問題となります。

2人のうちいずれかが後継者となり、もう一人は事業とかかわりがないとすると、後継者には会社の株式を相続させて、経営権を持たせる必要があります。
こういった場合に種類株式が利用されます。

株式の一部を無議決権株式に変更して、後継者には議決権のある株式を取得させ、もう一人には議決権のない株式を取得させます。

ただ、これだけですと後継者でない子供は不満を持つでしょうから、議決権がない代わりに配当優先株式にしたり、場合によっては取得請求権付株式にすることによって議決権がないことの埋め合わせをすることができます。

 

 

 

また、別のケースとして、経営者が生前に株式を後継者である子供に贈与等して経営を移譲することがありますが、後継者は経験不足で会社を思わぬ方向に向かわせてしまう可能性があります。

このような場合に、例えば、発行済株式100株のうちの99株を無議決権株式にして子供に贈与等により移転します。

議決権株式1株は親が保有して、子供の経営を監視します。子供が社長となって経営は任せますが、重要事項は株式総会で親の賛成がないと進められないようにしておく、といったことも考えられます。

 

 

 

この場合、別の方法として拒否権付株式の利用も考えられます。

先代経営者が拒否権付株式を1株もっておいて、残りの株式はすべて子供に贈与等すれば、いざという時には拒否権を発動して後継者の暴走にブレーキを掛けることが可能になります。

 

 

考えると、いろいろな方法が思いつきます。

なかなか面白い制度だと感じました。

定款を変更するなど手続きも必要となりますので、もしご興味がある場合にはご相談いただければと思います。
それではまた!

 

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